前回の記事と前々回の記事でインフォメーションボードとしてタッチディスプレイとiPadが使われている事例を見てきました。
まだまだタッチディスプレイ自体に多くの課題があるなかでじっくり見ればみるほど様々な課題が浮かび上がって着ます。
今回も二子玉川ライズという複合施設のタッチディスプレイ式インフォメーションボードを見てみます。
慌てて撮ったから写真が雑ですが、ライズのタッチディスプレイは縦型です。
上半分に周辺情報や電車の運行案内や広告などを表示して、下半分はフロアガイドなどの検索に使われているようです。
クアアイナを探してみる
今回はアイカタがどうしても行きたかった クアアイナに行こうとして検索を試みました。
どこからはじめたらいいかわからない
ライズという施設は7つの建物からなっていてその中のどこかに クアアイナがあるはずなのですが、ショップを50音で調べられないようなので、TOPページでどこから調べるかどこを最初にタッチするべきかがすでに不明でした。
アイカタが ドックウッドプラザというところにあるという事を事前に調べていたので、ドックウッドプラザをタッチ。
何階にあるかわからない
しかし、アイカタも何階にあるかはわからなかったので、レストラン&カフェと書いてあるところを総当りです。
写真は7Fの地図の右下にクアアイナを見つけたところ。
いろいろわからない
この写真をみていると、いろいろわかりにくいことに気が付きます。
ショップ一覧
まず、左上に ショップ一覧の表示がありますが、これは案内図のことを指しているようなのですが、表示されているのは地図なので一覧というのとは少し違う気がします。
7Fの下のスライダーっぽいもの
何が起こるのかわかりません。実際に触っていないのでなんともいえないですがこの規模の地図を拡大するのでしょうか。
どの建物なのかわからない
結構致命的に感じたのが、そもそもドックウッドプラザがどの建物なのかがわからなかったのは残念な感じでした。それほど広くないのとすぐ近くに案内板があったので迷うことはないですが。
結局、複数の場所に点在する情報から行く場所がわかるというのは従来のインフォメーションボードと変わりないというよりも、むしろ操作をする分、情報へのアクセシビリティとして劣っている感じがしてしまいます。
タッチディスプレイの案内板の致命的な弱点
これまで見てきたタッチディスプレイのインフォメーションボードとしての役割ですが、今のところまだ不十分な案内板といわざるをえません。
何よりも操作をしなければならないという点から、見るだけで情報を取得できる=見ることしかできない方への情報提供が不可能となってしまいます。
この写真でわかりやすいのは車椅子の方は、おそらく建物名のところをタッチすることができません。
自動販売機や電車の券売機なども同様の問題を抱えていると思いますが、案内板の場合はタッチディスプレイを採用して置き換えることはできないでしょう。
案内板の未来:個人の端末へデータを用意する
最適解かはわかりませんが、やはり個人でよく使う端末へ落としこむことが一番利用しやすいのかもしれません。
無線LANからWebサイトへアクセス
案内板の近くに 無線LANのアクセスポイントを用意し接続してからブラウザを立ち上げると自動的に施設案内のWebサイトが表示される。
この方式であればすでに確立されている手法で、無線LANの搭載している端末が増えているためそれほど抵抗感はないかもしれません。
そして、個人の持っている端末のブラウザは使い慣れているもののはずです。
アプリとしてダウンロード
もちろん事前にアプリとしてダウンロードしてもらうのでも構わないでしょう。その際にはポイントカードとして使えるアプリであればより利用しやすいかもしれません。
おわりに
いくつかのタッチディスプレイ式案内板を見てきましたが、案内板のタッチディスプレイ化(置き換えという意味で)は難しいことなのかもしれません。
- 現在地・施設の動的表示で分かりやすい案内
- 更新性の高さ
- 情報量の多さ
このようなメリットがありつつも
- 専有してしまう
- 利用条件が限られてしまう
- 操作をしなくてはならない
というようなデメリットがあることも確かです。
公共的であることでメリットを生かせないというのはタッチディスプレイがパーソナルなデバイスであるからこそ生きてくるという証明なのかもしれないと感じました。